ワーク・ライフ・バランスがこの数年で急に注目されてきていることについての考察
この数年で急にワーク・ライフ・バランス(WLB)や、働き方について話題になってきた感がありますよね。
男女共同参画、イクメン、イクジイ、イクボス、仕事と家庭・介護、女性の社会での活躍、働き方の多様化・・・
これまでも同じように話題には出ていたはずなのですが、なぜ、この数年で急に社会が動き始めたのか、考察してみます。
※個人の主観的な考察です。
価値観の多様化
まず、大前提として、生き方、働き方の多様化があるでしょう。価値観の多様化です。
社会が成熟するにつれ、いろいろな考え方を持った人が出てきて、それが許容されるようになります。どんな社会でもいろいろな考え方は生まれるでしょうが、急速な成長の真っ最中の社会では、できるだけ同じようなタイプが揃っていた方が効率的なために、固定的な価値観が作られがちです。
日本だと、戦後から高度経済成長期がこの状況で、この時代は、家族で役割を分担し、仕事をする男性と、家事・育児をする女性という、固定的な性別役割分業の価値観で、この時代にはこれが効率的と考えられていました。
この時代は、ものがまだ不十分で、ものを作れば作っただけ売れる時代で、長時間働き、ものを作ることが売上に直結していたということもあるでしょう。
これがいい悪いというのではなく、そういう時代でしたから、この生き方が最も効率的だったんだと思います。
そしてバブル崩壊
高度経済成長期が終わり、バブルの時代も終焉を迎えます。
バブル崩壊が、だいたい1991年頃。
最近、また景気が上向きになりつつありますが、バブル崩壊後は、経済は横ばい傾向が続いていたのはご存知の通り。
僕はこのバブル崩壊以前と以降で、世代が変わっていて、働き方やお金に対する価値観が変わっているのではないかと思います。
バブルの時期といえば、深夜も土日も、長時間働き、それが売上につながり給料も増えるとか、そういう時代だったと思います。たとえ今がきつくても、がむしゃらに働いていれば給料は順調にあがり、定年時には退職金がもらえる。漠然とした将来の姿が見えていた時代だったのかもしれません。
バブルの時代に社会人として出ていない世代は、バブルを実感していないため、この感覚が違うように思います。もちろん、若いうちに苦労することは大切で、それがあるからこそ、いい仕事が出来るのではありますが、終身雇用・年功序列が保証されていると思えない社会なので、本当に会社は定年まで見てくれるんだろうか、給料は上がっていくんだろうか、リストラされないだろうか、という漠然とした不安感を持っている人も多いと思います。
その世代がどの世代か考えてみると、バブル崩壊時点で働いていない世代ですので、バブル崩壊時点20歳とすると、1971(s46)年生まれ。1971年以降生まれは「新しい価値観を持った世代」と言えるのかもしれません。
次に、学校教育にも変化がありました。
1993年(H5)から、中学家庭科が男女必修になりました。それまでは、男子は技術科、女子は家庭科と別れて授業を受けていました。
今は、家庭科で、働き方や家事、子育てなどについても学んでいます。話は変わりますが、高校家庭科の教科書には僕も活動に参加しているファザーリング・ジャパンも載っています。
中学家庭科を全員が学んでいる世代を考えてみると、1993(H5)年時点で、15歳になるのが、1978(s53)年生まれ。これより下の世代は、家庭や家事・子育てについての知識はある程度持っていると考えられます。
人口ピラミッドと重ねてみると
バブルを知らない世代が1971(s46)年生まれ以降なので、2015年時点で44歳くらいですかね。
中学家庭科を学んだ世代が1978(s53)年生まれ以降なので、2015年時点で37歳くらいですかね。
これを頭にいれて、人口ピラミッドを見てみます。データは、統計局の人口推計(平成26年10月1日現在)を使わせていただきます。
バブルを知らない世代、中学家庭科を学んだ世代が、ちょうど団塊ジュニア(第2次ベビーブーム)世代あたりなんですね。
つまり、団塊ジュニア世代以降については、「新しい価値観を持った世代」であると言えます。
「生産年齢人口」が働いている年齢層に近いですが、今は高学歴化が進んでいるので、実際には働いているのは20歳くらいでしょうから、職場において年齢の中間が40歳くらい。年齢ベースで見ると、この数年で「新しい価値観の世代」が、過半数を超え始めました。そして、団塊の世代(第1次ベビーブーム)は、2015年時点で65歳を迎えており、職場からは離れつつあります。そうすると、人数ベースでも過半数を超え始めました。
「新しい価値観を持った世代」が、社会の過半数を超える時代になってきたというわけです。
社会は過半数に合わせた仕組みになっていきます。今後は新しい価値観が主流となり、旧来の価値観の数が減っていく流れになっていくでしょう。
社会が違うので、当然働き方や生き方も旧来の価値観では合わない部分が出てきます。家庭や家事・子育てについて全員が学んでいますから、それについての理解はあります。女性も社会で活躍する時代ですから、いろいろな働き方が生まれてきます。これからの問題として、仕事と介護の両立も出てきました。こういう時代の流れから、この数年で急にWLB等が、現実のものとして注目されてきたのではないのかと思います。
イクメンは、2010年の流行語大賞に入って以降、そういう生き方があることが知られるようになりました。
あと5年もすると、団塊ジュニア世代が50歳近くになり、管理職の層になってきます。
おそらくこの5年で、働き方や価値観は大きく変わってくると思います。
早く新しい価値観を理解しないといけないでしょう。ただ、多様性が許容される社会ですから、旧来の価値観を持つ人がいても全く問題はありません。ただ、自分は実践できないにしても、周りの人の価値観を理解できる人にならないと、気がついたら少数派になっていて時代遅れと思われてしまうかもしれません。
本格的に、世代交代の時期になってきたといえるのではないでしょうか。
※完全なる個人の主観による考察です。
ちょっと自分の考えを整理するために考察してみた。ちょうど今が世代の変わり目だろうな。イクボスもこれから注目されるキーワードです。
Posted by 飛鷹 正範 on 2015年5月16日
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2015/05/16 | ひめとおやじ日記
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